2011年2月1日火曜日

ローエンドGPUに追いついた?「AMD 780G」チップセットの

 AMDによる正式発表がないまま,グラフィックス機能統合型チップセット「AMD 780G」を搭載するマザーボードの店頭販売が2008年2月から始まっている。一部メーカーの“フライング”だったようで,各社の製品が出揃った状態ではないが,4Gamerでは秋葉原のPCショップ店頭一番乗りを果たしたBIOSTAR MICROTECH(以下,BIOSTAR)製のmicroATXフォームファクタ採用製品「TA780G M2+」を購入できたので,現時点で判明している限りのデータを基に,実機検証結果をお伝えしたいと思う。

TA780G M2+
メーカー&問い合わせ先:BIOSTAR MICROTECH
実勢価格:1万3000円前後(2008年2月27日現在)


まだ不明な点の多いAMD 780Gだが

グラフィックスはDX10世代の「ATI Radeon HD 3200」


 繰り返すが,AMDによる公式な情報は2008年2月27日正午時点で何も得られていない。本稿でお届けするスペック情報は,あくまで,2008年2月上旬に1万3000円前後の価格で店頭販売され(4Gamerで購入した)TA780G M2+の製品ボックスに付属していたマニュアル,および実際に同製品を動作させることで判明したものである。チップセットの正式発表時には名称などが変わっていることもあり得るので,この点は十分に留意してほしい。

 さて,製品マニュアルによれば,AMD 780Gは,以下のようなスペックを持つチップセットだ。

  • AM2+パッケージのAMD製CPUをサポート
  • HyperTransport 3.0サポート
  • 統合型グラフィックス機能「ATI Radeon HD 3200」により,DirectX 10をサポート
  • PCI Express 2.0 x16外部スロットを用意し,別途ATI Radeon HD 3400シリーズのグラフィックスカードを装着することで「Hybrid Graphics」を利用可能
  • サウスブリッジは「SB700」

 DirectX 10/Shader Model 4.0対応の統合型シェーダ(Unified Shader)アーキテクチャを採用したグラフィックス機能を持つチップセットは,もちろんAMD 780Gが初めて。PCI Express 2.0インタフェースをサポートするグラフィックス機能統合型チップセットとしても,AMD 780Gは初めての製品となる。

入手した個体のノースブリッジ(左,AMD 780G)とサウスブリッジ(右,SB700)。あくまで編集部による実測値(で,誤差が含まれる可能性は大いにある状態)だが,ダイサイズは前者が8.0×7.5mm,後者が6.8×6.8mmだった。ノースブリッジには「ENG」という文字があり,エンジニアリングサンプルのような気がしないでもない

TA780G M2+上でのGPU-Z実行結果
 TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.1.7)で確認してみると,製造プロセスは55nmで,ストリーミングプロセッサ数は40基。簡単にいえば,ATI Radeon HD 3400シリーズと同じ仕様だが,「DirectX Support」は「10.0/SM4.0」で,マニュアルのとおり,確かにDirectX 10(=Direct3D 10)までのサポートとなるようだ。その場合,AMD 780Gのグラフィックス機能であるATI Radeon HD 3200は,ATI Radeon HD 3000シリーズで唯一,DirectX 10.1のサポートが行われない製品ということになる。
 このほか注目したいのは,Hybrid Graphicsのサポートだが,2008年2月14日の記事でお伝えしているとおり,現時点で同機能は利用できない。2008年2月版ドライバスイート「ATI Catalyst 8.2」をインストールしても確かにHybrid Graphicsは有効化できなかったので,これは3月以降に請うご期待といったところか。また,ゲームとは直接関係ないが,ビデオ再生支援ハードウェア「UVD」を搭載し,ビデオ再生支援機能「Avivo HD」をサポートするのもAMD 780Gの特徴だ。

TA780G M2+のI/Oインタフェース
 TA780G M2+というマザーボードについてついて少し掘り下げてみると,サイズは244×215mmと,microATXの規定(※244×244mm)よりも幅が狭く,やや小さめ。グラフィックスの外部出力インタフェースはデジタル/アナログRGB(DVI-I)とアナログRGB(D-Sub)で,前者はHDCPをサポートする。
 DIMMスロットは4本,SB700に接続されるSerial ATAポートは6基と,拡張性はmicroATXボードとして十分。なお,マニュアルには(Intel Turbo Memory対抗となる)Windows Vistaの高速化に向けたフラッシュメモリ「HyperFlash」をサポートするという記述があるのだが,具体的な使用方法など詳細は書かれておらず,何をどうするとHyperFlashを利用できるのかは分からない。

VRD(VRM)は3フェーズ仕様。アルミ固体コンデンサが採用されている(左)。右はSB700とその周辺。SB700には薄いアルミ製ヒートシンクが貼られていた。同チップの近くにあるDIPチップはBIOS ROMだ。なお,VRD部以外はTaiwan Ostor(OST)製の電解コンデンサを採用している


AMD 690G&現行ローエンドGPUと比較

エントリー環境に合わせてテストタイトルも変更


 今回比較対象として用意したのは,AMD 780Gから見て一世代前のチップセットとなる「AMD 690G」を搭載したBIOSTAR製マザーボード「TA690G AM2」,そしてローエンドGPUから,「ATI Radeon HD 3450」を搭載したHightech Information System製カード「HIS HD 3450 Silence 256MB PCIe」(以下,HIS HD 3450 Silence),「GeForce 8400 GS」を搭載するASUSTeK Computer製カード「EN8400GS/HTP/256M」の計3製品。入手した個体が持つGPUスペックの違いは表1にまとめたので参考にしてほしい。動作クロックはGPU-Zの「Default Clock」を参考にしている。

※1 スペックはTA780G M2+のマニュアルおよびGPU-Z,筆者推測による
※2 固定型シェーダアーキテクチャのため,ピクセルシェーダユニット数を記載した。ちなみに頂点シェーダユニットは搭載していない
※3 シェーダクロックは918MHz

 テストに当たっては,TA780G M2+,TA690G AM2ともに,UMAで確保するグラフィックスメモリ容量を512MBに固定。グラフィックスカード2枚はTA780G M2+上で動作させた。このほかテスト環境は表2のとおりとなる。
 TA780G M2+の“ATI Radeon HD 3200部分”にはATI Catalyst 8.2をインストールできたのだが,チップセットドライバは当たらなかったため,製品ボックス付属のドライバCD-ROMからセットアップを行った点をあらかじめお断りしておきたい。なお,細かい点だが,以下本稿では基本的に,マザーボードやグラフィックスカ
引用元:リネージュ3(Lineage3) 総合情報サイト

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